「分析」と「解析」の違いを、このように説明する向きがあるようです。
「分析」とは、構成要素を明らかにし、問題点を絞り込むこと。
「解析」とは、その問題点をさらに細かく調べ、真の原因を追究すること。
つまり「分析」してから、「解析」するという流れがあるということです。
しかし本サイトでは、「分析」と「解析」という言葉を使い分けてはいません。
「分析」も「解析」も英語では”analysis”です。”analysis”とよく似た言葉に”analytics”がありますが、”analysis”と”analytics”のどちらかが、「分析」の「解析」のどちらかに対応しているというわけでもありません。
統計学の世界で、”analysis”(あるいは”analytics”)を日本語に訳すとき、「分析」と「解析」を厳密に使い分けてきたように、管理人には思えません。
例えば多変量解析(multivariate analysis)という用語がありますが、これは回帰分析(regression analysis)や判別分析(discriminant analysis)などといった手法の総称です。回帰分析はいわば多変量解析の部分集合であり、回帰「分析」も多変量「解析」という「解析」の一種です。その時点で「分析」と「解析」は違う、という説明は破綻しているのではないでしょうか?
また回帰「分析」をしたあとに、さらになにかの「解析」をする必要があるようには思えません。
項目 | 分析 | 解析 |
---|---|---|
「分析」と「解析」の両方が使われる用語 |
時系列分析 生存時間分析 |
時系列解析 生存時間解析 |
主に「分析」が使われる用語 | 回帰分析 判別分析 クラスター分析 主成分分析 |
|
主に「解析」が使われる用語 | 多変量解析 |
日本語として、「分析」と「解析」にニュアンスの違いがあることは否定しません。しかしデータサイエンスにおいてその違いを意識することに、それほどの意義があるようには思えないということです。