数学・統計学

微分

微分とは

微分とは、関数の変化率を表す数学的な概念です。データサイエンスにおいては、モデルの損失関数を最小化するための勾配降下法や、深層学習における誤差逆伝播法、また最適化アルゴリズムの計算に利用されます[1] … Continue reading

関数
関数とは 関数(function)とは、ある入力に対して一定の規則で出力を返す仕組みのことを指します。AI(人工知能)のモデルも関数の一種と考えることができます。 \( x \) を入力変数、\( y \) を出力変数とする関数 \( ...

微分係数

微分の基本的な考え方は、関数の入力がわずかに変化したときに、出力がどれだけ変わるかを調べることです。たとえば、関数のある点における接線の傾きは、微分によって求めることができます。この傾きを、微分係数と呼びます。

導関数

関数を微分して得られる新しい関数を、導関数と呼びます。関数 \( f(x) \) の導関数は、次のように定義されます[2]\( f'(x) \) をラグランジュの記法、\( \frac{df}{dx} \) をライプニッツの記法と呼びます。

$$ f'(x) = \frac{df}{dx} = \lim_{h \to 0} \frac{f(x+h) – f(x)}{h} $$

以下のグラフは、関数 \( f(x) = x^2 \) とその導関数 \( f'(x) = 2x \) を表しています。

\( x = 1 \) における関数 \( f(x) \) の接線の傾き(微分係数)は、導関数 \( f'(x) = 2x \) に \( x = 1 \) を代入し \(2 \) と得られます。

微分係数と導関数の違い

微分係数と導関数は似た概念ですが、次のような違いがあります。

  • 微分係数: ある特定の点における関数の瞬間的な変化率を表す(例: \( x = 1 \) における接線の傾きは \(2 \) )。
  • 導関数: 関数全体の変化率を表す新しい関数であり、任意の点における微分係数を求めるために用いる(例: \( f'(x) = 2x \))。

偏微分

多変数関数に対して、ある変数のみで微分を取ることを偏微分と呼びます。例えば、関数 \( f(x, y) = x^2 + y^2 \) に対して、\( x \) についての偏微分は次のようになります。

$$ \frac{\partial f}{\partial x} = 2x, \quad \frac{\partial f}{\partial y} = 2y $$

微分の公式

  • 定数の微分 $$ \frac{d}{dx} c = 0 $$
  • べき乗の微分 $$ \frac{d}{dx} x^n = n x^{n-1} $$
  • 和の微分 $$ \frac{d}{dx} (f + g) = \frac{d}{dx} f + \frac{d}{dx} g $$
  • 積の微分 $$ \frac{d}{dx} (f g) = \frac{d f}{dx} g + f \frac{d g}{dx} $$
  • 商の微分 $$ \frac{d}{dx} \left( \frac{f}{g} \right) = \frac{\frac{d f}{dx} g – f \frac{d g}{dx}}{g^2} $$
  • 自然指数関数の微分 $$ \frac{d}{dx} e^x = e^x $$
  • 一般指数関数の微分 $$ \frac{d}{dx} a^x = a^x \ln a \quad (a > 0, a \neq 1) $$
  • 自然対数関数の微分 $$ \frac{d}{dx} \ln x = \frac{1}{x} $$
  • 一般対数関数の微分 $$ \frac{d}{dx} \log_a x = \frac{1}{x \ln a} \quad (a > 0, a \neq 1) $$
  • 三角関数の微分 $$ \frac{d}{dx} \sin x = \cos x, \quad \frac{d}{dx} \cos x = -\sin x, \quad \frac{d}{dx} \tan x = \frac{1}{\cos^2 x} $$
  • 双曲線関数の微分 $$ \frac{d}{dx} \sinh x = \cosh x, \quad \frac{d}{dx} \cosh x = \sinh x, \quad \frac{d}{dx} \tanh x = \frac{1}{\cosh^2 x} $$
  • 合成関数の微分(連鎖律) $$ \frac{d}{dx} f(g(x)) = \frac{d f}{d g} \cdot \frac{d g}{dx} $$
  • 逆関数の微分 $$ \frac{dy}{dx} = \frac{1}{\frac{dx}{dy}} $$

脚注

脚注
1 解析解(数学的に厳密な解)を求めることができない場合も多く、近似解やヒューリスティック解(経験則に基づく実用性を重視した解)を求めるための各種手法が考案されています。
2 \( f'(x) \) をラグランジュの記法、\( \frac{df}{dx} \) をライプニッツの記法と呼びます。
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